快適な睡眠環境を整えるうえで欠かせない寝具の1つが「枕」。自分に合ったモノを使うことで理想的な寝姿勢をキープでき、身体への負担を軽減できます。さまざまな枕が販売されているため、どれを選べばよいか迷ってしまう方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、みなさんに本当におすすめできる枕をご紹介します。選び方のポイントも詳しく解説しているので、購入を検討している方はあわせてチェックしてみてください。

自分に合った枕を使うメリットとは?

自分に合った枕を使うことで、マットレス・敷き布団と頭・首とのすき間を埋めてしっかり支えられるので、理想的な寝姿勢をキープしやすいのがメリット。理想的な寝姿勢とは、仰向け寝なら自然に立ったときの背骨のS字カーブを保てる状態を指します。一方で横向き寝なら、背中側から見たときに背骨のラインがまっすぐの状態です。

正しい寝姿勢であれば頭・首が不自然に曲がらないため、首・肩への負担を軽減したり、気道が確保されて自然に呼吸したりできます。また、無駄な力を使わずスムーズに寝返りできるので、筋肉や関節などに負荷がかかりにくいのもポイントです。

なお、寝返りは、身体の特定の部位のみが圧迫されてしまうのを防ぐほか、寝床内の空気を入れ替えて適切な温度・湿度を保つ役割を果たします。快適な睡眠環境を整えるには、自分に合った枕を使用することが大切です。

枕の選び方

体格や寝姿勢に合った「高さ」の枕を使うのが重要

「高め」は男性や体格がしっかりした方向け

高めの枕は、特に男性や体格がしっかりした方におすすめです。男性は頸椎弧が深く、肩幅が広い傾向にあるので、敷き寝具と頭・首とのすき間が大きくなりがち。また、頭や首まわりの重さにより枕が沈み込みすぎてしまい、理想的な寝姿勢をキープしにくくなる場合もあります。すき間をしっかり埋めて正しい寝姿勢に導くためにも、枕にはある程度の高さが必要です。

また、横向き寝が多い方も高い枕が適しています。横向きで寝るときは仰向けで寝るときよりも、肩幅の分だけ頭が上がるため、敷き寝具と頭・首との間に空間が生じるのが注意点。十分に高さがあれば首が不自然に曲がらず、首や肩への負担を軽減可能です。

「低め」は女性や子供、細身体型の方向け

低めの枕は、女性や子供など細身な体型の方におすすめです。女性や子供は男性に比べて頸椎弧が浅く、肩幅が狭い傾向にあります。高い枕を使用した場合、正しい寝姿勢をキープしにくくなるので、首や肩に負担がかかるのが注意点。すき間を適切に埋められる低さの枕であれば、頸椎から背骨のラインが自然になり、身体への負担を軽減できます。

また、首の角度も自然に保たれるため、気道が圧迫されにくく、スムーズに呼吸しやすいのもポイント。枕の高さを決めるときは、理想的な寝姿勢をキープできるかしっかりチェックすることが大切です。

オンラインで購入する際は高さ調節できる枕もおすすめ

オンラインショップで枕を購入する場合、実際使ってみると高さが合わない可能性もあります。買い物の失敗を減らすためにも、自分で高さを調節できる枕を選ぶのがおすすめです。

枕によって、中身の素材の量を変えたりシートを出し入れしたりすることで、自分に合った高さに変えられます。なかには、高さを調節する箇所が複数備わっており、細かくカスタマイズできるのがポイントです。

なお、体型が変わったときにも自分に合わせて高さを変えられるので、長く使い続けられます。

自分に合う高さの測り方を知っておくと失敗しにくい

自分に合う枕の高さは、体格や寝姿勢、使用している敷き寝具によって異なります。簡易的な測定方法で理想的な高さを把握しやすいため、ぜひチェックしてみてください。

測定時には、タオルを枕の形になるように折りたたんで頭の下に敷き、使用中の敷き寝具に横になります。また、タオルの高さは、仰向け寝・横向き寝で理想的な寝姿勢をキープできるように調整しましょう。

仰向け寝の場合は、自然に立ったときの背骨のS字ラインが保て、目線が真上ではなくやや斜め前を向いている状態が正しい寝姿勢です。横向き寝の場合は、背中側から見たときにまっすぐな背骨のラインを保てる状態が適しています。適切な寝姿勢をキープできるタオルの高さが、自分に合う枕の高さです。

最後に定規・メジャーで、折りたたんだタオルの高さを測ります。なお、実際は枕の硬さによって頭の沈み込みが変化するため、あくまで目安として把握しておきましょう。

中身の素材で選ぶ

ふんわりとした感触や優れた吸湿性・保温性が特徴的な「羽毛・羽根」

水鳥から採取した羽毛・羽根はふんわりと柔らかい感触で、包み込まれるような寝心地が特徴です。また、吸湿性・保温性に優れているため、暑い夏場では蒸れにくく、寒さの厳しい冬場ではあたたかく使えます。季節問わず快適に使える枕を探している方におすすめです。

羽毛・羽根枕は、ボリュームに対して軽いのもポイント。さらに、品質のよい羽毛・羽根を使った場合は復元力が高いので、長く快適に使い続けられます。ただし、湿気がこもるとへたってしまうため、定期的に干して湿気を逃すことが大切。そのほか、羽毛・羽根の独特のニオイが気になったり、アレルギーがある場合は使用できなかったりする点には留意しておきましょう。

通気性が高く熱・湿気がこもりにくい「パイプ・ファイバー」

パイプとファイバーは通気性に優れているため、熱や湿気がこもりにくく、爽やかな状態をキープしやすいのが特徴です。また、本体を洗濯機やシャワーで丸洗いできるので、清潔さを保ちやすいのもポイント。寝汗をかきやすい方や、ダニ・カビが発生しにくい枕、簡単にお手入れできる枕が欲しい方におすすめです。

パイプは、サイズや硬さによって寝心地が異なります。人によって、寝返りするときにパイプの動く音が気になる場合がある点には注意が必要です。ファイバーは適度に反発力があるため、スムーズに寝返りできます。

頭や首にフィットしやすい「ウレタン・ラテックス」

低反発ウレタンやラテックスは、頭・首の形や重さに合わせてフィットしやすいのが特徴。圧力を分散しやすいため、頭や首などへの負担を軽減したい方におすすめの枕素材です。

低反発ウレタンは、頭が沈み込みすぎてしまい寝返りしにくい場合があります。寝返りのしやすさを重視する方は、頭をしっかり支える高反発ウレタンを使用した枕を選んでみてください。ラテックスは柔らかな寝心地ながら、適度に反発力もあるので、自然な寝返りをサポートしてくれます。

なお、ウレタンとラテックスは洗えないため、こまめに陰干しして湿気対策することが大切。そのほか、ゴムアレルギーの方はラテックスを使った枕の使用は避けましょう。

参照:ネムリウム 布団・枕・寝具の西川公式ショップ(枕の種類はどう選べばいい?素材やサイズの選び方を徹底解説)

自分の寝姿勢に合った枕の形で選ぶ

最もポピュラーな形で種類も豊富な「標準型」

長方形の標準型枕は昔から見かけられるポピュラーな形状で、豊富な製品展開が魅力。幅広い体型や寝姿勢にマッチするモノを探しやすいのがポイントです。

枕の高さが全体的に均一でフラットなため、頭を動かしやすく、自然に寝返りできるのもメリット。ただし、高さが同じであることで、仰向け寝・横向き寝のどちらにも対応するのが難しい点には留意しておきましょう。

仰向きと横向きどちらの寝姿勢にも合いやすい「くぼみ型」

中央がくぼんでいる枕は、仰向きと横向きどちらの寝姿勢にも合いやすいモノを求める方におすすめです。仰向け寝のときに中央のくぼみに頭をのせることで、しっかりと包み込んで寝姿勢が安定しやすくなります。一方で横向き寝のときに、中央よりも高さがある両サイドに頭をのせれば、理想的な寝姿勢を維持しやすくなるのがポイントです。

ただし、中央と両サイドで高低差があるため、寝返りしくい場合があります。スムーズに寝返りできる構造を採用しているかも、あわせてチェックしてみてください。

頭や首にフィットしやすい「波(ウェーブ)型」

側面から見ると波のような形状のウェーブ型枕は、頭や首のラインに沿ってフィットしやすいのが魅力。頚椎のS字ラインに沿って支えるため、特に仰向けで自然な寝姿勢を保ちたい方におすすめです。ウェーブ型枕は、低反発素を使用したモノに多く採用されています。

上下でウェーブの山の高さが異なる場合、基本的には高く盛り上がっている方を首元にあてるのがポイント。なお、製品によっては、使う方の好みに合わせて上下の高さを使い分けられます。

首の負担を減らすように設計された「アーチ型」

肩口がゆるやかにカーブしているアーチ型枕は、肩口までしっかりフィットしてすき間を埋めて支えるため、首への負担を軽減します。また、人は弧を描きながら寝返りするといわれており、肩口に沿ったアーチによって、スムーズに寝返りしやすいのもポイントです。

さらに、肩口が枕に密着することで、肩口が冷えにくい効果も期待できます。

サイズは寝返りのしやすさや体格で選ぼう

枕を選ぶときには、高さだけでなく横幅・奥行もあわせてチェックしてみてください。人は、睡眠中に無意識で20〜30回程度の寝返りをするといわれています。頭が3つ分入る横幅の枕であれば、左右に寝返りしたときに頭がずり落ちないのがポイント。寝返りが多い方や寝相が気になる方、体格がよい方は、よりゆとりを持った横幅の枕を選ぶのがおすすめです。

また、すき間をつくらず、頭や首をしっかり支えられるようにするには、枕のすそを肩口に沿わせることが大切。理想的な寝姿勢をキープして首などへの負担を減らすためにも、頭から肩口までカバーできる奥行も必要です。なお、枕は一般的に、約横幅50×奥行35cmの小さめのモノ、約横幅63×奥行43cmの標準的なモノ、約横幅70×奥行50cmの大きめのモノが展開されています。

カバーや本体が洗える枕なら清潔に使える

衛生面を重視して選びたい方は、カバーや本体が洗える枕を選ぶのがおすすめです。カバーを取り外して洗える場合は、カバーに付いた汗・皮脂・よだれなどの汚れをきれいに落とせます。

なかには枕を丸ごと洗えるモノも展開されており、中身に溜まった汚れも洗い流せるのがメリット。本体を丸洗いしたい方は、中身の素材にパイプ・ファイバーなどを採用した枕を選んでみてください。

なお、お手入れのしやすさは、洗濯機洗いや手洗い、シャワー洗いによって異なるため、購入前にしっかり確認しておきましょう。

枕のおすすめランキング厳選5選

第1位 ブレインスリープ(BrainSleep) ブレインスリープピロー

出典:公式サイト

サイズ LOW:約幅60×奥行35×高さ6〜8cm / STANDARD:約幅60×奥行35×高さ9〜11cm / HIGH:約幅60×奥行35×高さ12〜14cm 中身の素材 ファイバー
形状 独自形状(3層9グラデーション構造) 洗濯 丸ごと洗える

通気性に優れ蒸れにくく、快適な寝心地を実現する枕。中身の素材にはファイバーを使用しており、枕内部に熱や湿気がこもりにくいのが特徴です。寝汗をかきやすい方にも適しています。

本製品は、頭の大きさや寝姿勢に合わせて徐々にフィットしていく「3層9グラデーション構造」を採用しています。反発力がありつつも、ふんわりと頭を包み込むため、頭・首の負荷を軽減するのがポイント。また、枕の端にいくほど弾力が高まるグラデーション仕様なので、横向き寝のときにも頭が沈み込みすぎないほか、スムーズに寝返りできます。

枕本体はシャワーで水洗いできるため、衛生的に使い続けられるのが魅力。さらに、45〜50℃のシャワーをかければ、ふっくらと膨らむので、長く使い続けやすいのがメリットです。そのほか、高さはLOW・STANDARD・HIGHの3種類を展開しています。

第2位 太陽 ヒツジのいらない枕 至極

出典:公式サイト

サイズ 約幅35×縦54×高さ8〜10cm 中身の素材 TPE(熱可塑性エラストマー)
形状 ウェーブ型 洗濯 丸ごと洗える

包み込まれるような柔らかい寝心地が好みの方におすすめの枕。中身の素材には、柔らかな感触と適度な反発力を両立するTPE素材を使用しています。素材には2種類の三角格子構造を採用しているのも特徴。TPE素材と三角格子構造が組み合わさることで、頭から肩口までフィットしつつ、圧力を分散します。また、スムーズに寝返りしやすいのもポイントです

三角格子構造により通気性に優れ、熱や湿気を効率的に分散するため、蒸れてしまうのを防ぎます。汚れが気になったときには、水やぬるま湯で本体を丸洗い可能。さらに、素材には消臭効果が期待できる活性炭を配合しているので、気になるニオイの発生を抑えやすいのが魅力です。

そのほか、肌触りと通気性に優れたテンセル製のカバーが付いています。枕の形にぴったりフィットするため、本製品のよさを引き出すのがメリットです。

第3位 コアラマットレス(Koala Mattress) コアラピロー

出典:公式サイト

サイズ 幅63×奥行39×高さ11cm 中身の素材 ウレタン
形状 標準型 洗濯 カバーのみ洗濯可

日本の季節やライフスタイルを考慮してつくられた標準型枕。中身の素材には、冷感ゲルが入った低反発素材を使用しています。また、枕全面には通気孔を設けているため、余計な熱と湿気を逃がしやすいのがポイント。睡眠時に頭まわりの温度を快適にキープしやすいおすすめの枕です。

本製品は中央部が柔らかく、外縁部がやや硬めのゾーニング製法を採用しています。後頭部をやさしく包み込んで、理想的な寝姿勢を維持しやすいので、首や肩への負担を軽減するのが魅力です

枕カバーには、なめらかな触り心地で、吸湿性・放湿性の高い植物由来繊維のテンセルを採用。汚れが気になった場合は、カバーを取り外して洗濯機で洗えます。そのほか、本製品は仰向け・横向きの寝姿勢に対応しているのが特徴です。

第4位 ロハテックス(LOHATEX) ネックサポートピロー 大サイズ QX03

出典:公式サイト

サイズ 約幅60×縦40×高さ10〜11cm 中身の素材 ラテックス
形状 ウェーブ型 洗濯 カバーのみ洗濯可

高反発ながら柔らかい寝心地の天然ラテックス枕。弾力性に優れているため、無駄な力を使わずスムーズに寝返りしやすいのが特徴です。また、圧力を分散するので、頭や首への負担を軽減します。

中身の素材には適度に穴を設けており、通気が促されて蒸れにくいのがポイント。1年を通して爽やかな使い心地を実現するおすすめの枕です。枕の形状はウェーブ型で、頭と首がしっかりと支えられ、首元を安定させます。気道を確保する寝姿勢に導くので、呼吸がしやすいのがメリットです。

本製品は耐久性が高く、型崩れしにくいのも魅力。さらに、抗菌作用を期待できるため、カビやダニの発生を防ぎやすく、衛生的に使用可能です。そのほか、枕カバーの素材には、肌にやさしい綿100%を採用しています。

第5位 カインズ(CAINZ) Moffle フィット 弾力性に優れたやわらかいまくら 40×60cm 4549509751939

出典:公式サイト

サイズ 約幅60×奥行40×高さ14cm 中身の素材 TPE(熱可塑性エラストマー)
形状 くぼみ型 洗濯 カバーのみ洗濯可

弾力性と圧力分散性に優れている枕。中身の素材には、人肌のような感触で耐久性の高いTPE素材を使用しています。また、素材には三角格子構造を施すことで、さまざまな寝姿勢や体型にフィットし、圧力を分散して支えるのが特徴です。

本製品はくぼんだポケット形状を採用しているため、後頭部がおさまりやすいのがポイント。さらに、TPE素材とメッシュ生地を縫い合わせており、通気性に優れています。枕内部が蒸れにくいので、寝汗をたくさんかく方でも快適な睡眠環境を整えやすいのが魅力です

汚れが気になった場合は、カバーを取り外して洗濯できます。もっちりと柔らかい寝心地が好みの方や、清潔に使えるモノを探している方におすすめの枕です。